入札豆知識

Trivia

6.入札エントリ起業必見!入札方式の種類と注意点のご案内

入札には、さまざまな種類の方式があります。 入札方式の条件によっては、全ての企業が参加できない案件もあるため、入札に参加する際にはこれらをよく知っておく必要があります。それぞれの種類と、その注意点について下記にご説明します。


1.一般競争入札

▶低入札価格調査制度

 低入札価格調査制度とは、工事や製造その他の契約において、
 ・最低価格での申請であったが、その価格では適切に契約内容が履行されないおそれがある

 ・最低価格を提示した業者と契約を締結した際、公正な取引の秩序を乱すおそれがある
 これらに該当する場合には、最低価格の次に低い価格で申し込みした業者を落札者とする制度になります。


▶最低制限価格制度

 最低制限価格制度とは、工事や製造その他の契約において、契約の履行のために必要であると判断し た場合に、落札価格にあらかじめ最低制限価格を設ける制度です。

 予定価格を下回り、かつ最低制限価格を上回った入札額のなかでの最低価格を提示した業者が落札者となります。

 なお、低入札価格調査における調査基準価格や最低制限価格は、事前公表はされていません。

 価格の算出方法も随時改訂されているため、各省庁や自治体のホームページ等で確認することが必要になります。

 


▶総合評価

 総合評価とは、競争入札の参加希望者に提案書等を求め、技術・性能と入札価格を総合的に評価する方式です。

 総合評価には、技術点を入札金額で除する「除算方式」と技術点と価格点の得点を合算する「加算方式」があります。



2.指名競争入札

 

▶指名競争入札


 「指名競争入札」では、発注機関が資力や信用等から認める特定多数の企業を指名し、そのなかで競争入札をおこないます。

 広く公告はされず、指名された事業者に入札の日時等の必要事項が通知されるかたちとなります。

 日本の官公庁における契約は一般競争入札が原則になっておりますが、以下の場合においては例外となり、指名競争契約の方式を採用することになります。

 日本の官公庁における契約は一般競争入札が原則になっておりますが、以下の場合においては例外となり、指名競争契約の方式を採用することになります。

 ・契約の性質または目的により、競争参加者が少数であり一般競争とする必要のない場合

 ・不利な契約や不誠実な業者の参加を避ける場合

 ・契約に係る予定額が少額である場合

 指名競争入札においても、一般競争入札と同様に価格または総合評価での落札となります。


▶公募型指名競争入札

「公募型指名競争入札」の場合は、広く案件が公示され、参加希望者のなかから入札に参加する業者が指名されます。 参加を希望する業者は、参加希望書とともに、
 発注機関が求める技術提案書等の提出が必要となります。



3.随意契約

▶随意契約

 随意契約とは、競争をおこなわず、発注機関が任意の業者を選定して契約を締結する契約方式です。
 公的機関の契約は競争入札が原則であり、例外的な場合におこなわれるのが随意契約となります。

 随意契約の場合は契約の締結、履行までに時間がかからないことから災害など緊急時にも適用されます。詳しい条件は総務省の資料で確認できます。

 (https://www.soumu.go.jp/main_content/000452716.pdf

 また、予定価格が少額である場合も、随意契約が交わされる事があります。

 以下の価格を超えない契約の場合は、随意契約が可能とされ、公表の必要もありません。

 ・工事又は製造の請負

   都道府県及び指定都市  2,500,000円

   市町村(指定都市を除) 1,300,000円

    (地方自治法施行令167条の2項 別表5)


▶オープンカウンタ

 「オープンカウンタ」は、随意契約を前提とした見積り合わせをおこなう方式になります。

 あらかじめ調達案件の概要等を公示し、見積りへの参加を希望する事業者による見積りをおこない、そのなかで最低金額を提示した業者と契約締結を行います。

 「物品の調達」「印刷物の発注」など、予定予算額が低い案件に多くみられ、公示日から応札までの期間が短い入札方式となります。


▶企画競争入札

 「企画競争入札」は、発注機関が提示する予算額の範囲内において、不特定多数の業者から企画提案や技術提案を提出させ、
 総合的な評価により契約する方式になります。

 一見、競争入札の一種のようにも感じられますが、随意契約の交渉相手を選定するための予備的な手続になります。

 企画競争入札には「プロポーザル方式」と「コンペ方式」があります。

 ・プロポーザル方式…事業者や担当者の技術力や実績、方針を評価

 ・コンペ方式…具体的な企画を提出させ、その内容を評価

 コンペ形式の場合は企画そのものを評価されるため、実績の少ない企業も参加可能です。
 しかし応募準備に多くの時間が必要になりますので充分ご検討してから参加されることが重要になります。


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