第一回「新宿区立漱石山房記念館」

・施設名新宿区立漱石山房記念館
・ホームページhttps://soseki-museum.jp/
・住所〒162-0043新宿区早稲田南町7番地
・連絡先電話 : 03-3205-0209 FAX : 03-3205-0211
・開館日平成29年(2017年)9月24日
・開館時間10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)
・休館日①月曜日 ただし、月曜日が休日の場合は、直後の休日でない日
②年末年始(12月29日~1月3日)
③その他設備維持のため等の臨時休館日
・観覧料一般300円、小・中学生100円(特別展開催時は別途定めあり)

・「漱石山房記念館」誕生までの道のり


 そもそも何故新宿区にこの漱石山房記念館が建設されたのか。新宿区は、夏目漱石が生まれ育ち、晩年の9年間を過ごした「漱石山房」のあった場所である。日本を代表する文豪夏目漱石の記念館がなかったことも驚きであった。新宿区には数多くの作家の足跡が遺っているという歴史の中で、漱石に特化した記念施設を平成の後期に構想された。新宿区立漱石山房記念館の構想時、漱石の子孫、区の職員から住民、専門家や研究者、公募による一般の方々まで幅広く意見交流を行いながらそもそもの記念館の在り方について基本計画を作成し検討会を行ったという。

 さらに、「漱石山房」の再現に関しては、当時の写真や図面の資料が少ない状態から始まり、全国的に調査、資料収集を行うところから始め再現していくという過程の苦労があったそうだ。そこに現代的な設備を踏まえた今の形が構想され、それを基に入札によって館の建設工事がされたのだった。こうした、多くの人の支援、助言そして献身により、漱石山房記念館が誕生したのである。
書斎内の家具・調度品・文具は、資料を所蔵する県立神奈川近代文学館の協力により再現。書棚の洋書は東北大学附属図書館の協力により、同館が所蔵する「漱石文庫」の蔵書の背表紙を撮影し、製作された。

・展示資料について


 館内に入り展示を眺める。展示されている資料は、寄贈や寄託、または開館後も続いている基金を利用して購入、収集されたものだそう。原稿や書簡等は、紙にペンや毛筆で書かれた脆弱なものであるが故、細心の注意を払った取扱いを心掛けているそうだ。

・愛読者にも初心者にも優しい漱石文学の世界


 施設の在り方や展示への拘りと作家への敬愛の心によって、漱石文学の世界を深く味わうことが出来るこの記念館には、昨年度24,736人もの人が訪れた。これだけの人が足を運ぶのには理由がある。施設では、様々なイベント・講座・講演会が開催されているのだ。アニメ文化を一つのベースに回遊性の高いもの、朗読などの実演を用いた発信など、その内容は幅広く、何度足を運んでも楽しい。

 

 今後、関係する全国の文学館や博物館、図書館、大学などの様々な機関との積極的な交流を行っていきたいという。また、国民的文豪の記念施設ということで、区外からの来館者が多い状況であるが、漱石が新宿で生まれ、代表作のほとんどを執筆し、亡くなったことを踏まえ、区民の皆様にも広く知っていただき、愛着をもっていただきたいと考えている。漱石文学を未来へ継承していくため、その発信拠点として、情報センターとして寄与していきたいという。愛読者だけでなくまだ漱石について知らない初心者にも楽しめる記念館となっている。
 「自分がそれだけの個性を尊重し得るように、社会から許されるならば他人に対してその個性を認めて、彼らの傾向を尊重するのが理の当然となって来るでしょう。」私の個人主義 大正四年漱石の名著抜粋は「吾輩は猫である」「草枕」「坊ちゃん」「三四郎」「草枕」「虞美人草」……からが多いが、「私の個人主義」からの当引用は、現在に通じる教えを説いており、選者の賢察の高さが伺われる。

 漱石山房記念館を離れて、その後穴八幡宮に立ち寄り帰路。

今回の散歩時間は、約3時間で、歩数4900前後であった。晴れた日に少し時間があるのなら是非ともお薦めしたいコースである。

(画像提供:新宿区文化観光課)

建設工事 入札公告
件名(仮称)「漱石山房」記念館建設工事【新宿区】
発注機関新宿区
契約方法一般競争入札 総合評価方式
公表開始日2015年11月9日
入札見積締切日時2015年12月15日
建設工事 落札公告
予定価格623,400,000円
落札者菊池建設株式会社 東京支店
所在地東京都新宿区西新宿一丁目25番1号新宿センタービルMB1階
落札金額620,000,000円
応札企業数8社