代表理事月報(2022年8月)

「メタバースって何?」

2021年後半から良くメタバースという言葉が目に入ってきていた。その単語が馴染めずメタデータと間違えて言ってしまうくらいだった。IT業界にて35年以上勤務した私に取って“メタ“はメタデータだった。

メタ+データはIT用語で「メタデータとは、あるデータに関する情報を持ったデータのことである。データそのものではなく、データについてのデータであるため、メタ(上位の)データと呼ばれる。」概念的に説明するとデータを導きやすくするため、つまりコンピュータにて取り扱いを安易にするための情報を格納してあることである。この概念も難解ではあるが、そこにメタバースが入り込みますます混乱してしまった。

メタバースは、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指す。メタバース(metaverse)とは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、もともとはSF作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表したサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の仮想空間サービスの名称だったが、その後、テクノロジーの進化によって実際にさまざまな仮想空間サービスが登場すると、それらの総称や仮想空間自体の名称として主に英語圏で用いられるようになった。

ヴァーチャルはリアルを凌駕できるのか? などと発言すればZ世代から嘲笑されるだろう。「メタバース さよならアトムの時代」(加藤直人著)には「僕はメタバースとは。人類の描いた夢の生活スタイルのことだと考えている。」とのことだがコンピュータの中の出来事くらいにしか考えがおいついていかない。

経済産業省 商務情報政策局コンテンツ産業課長の高木美香氏は、「スマートフォンなどの普及を背景に、誰もが手軽にコンテンツを利用できる時代になり、コロナ禍でメタバースを含むメディアの広がりがある。」と述べており、仮想空間との表現にて公共的な定義はまだ明確化していないが取り組みについては開始している。
韓国政府は、メタバースのエコシステム構築に2,237億ウォン(約214.5億円)を投資すると2月に発表し、研究開発や人材育成など、幅広い分野でメタバースに投資している。

今後メタバースの空間に公共サービスが構築されアバターが自分の分身として、納税、申請、選挙などを行うこともあり得るのではと考える。
技術の進化も創造を超えるもので入札に関しても今後有形の建造物から無形サービスが拡大することが予想される。
当面メタバースに目を離せない状況は続きそうである。

今月はここまで。

2022年8月

代表理事 青柳恭弘