代表理事月報(2023年7月)

「千差万別」「多種多様」「三者三様」「十人十色」

私は東京都特別区の入札の地区別調査・分析を進めるために、近年の各区の数値が必要となりました。しかし、適切な情報が見つからず、結果として時間がかかることを覚悟で、東京都の23区それぞれの区長宛てに情報公開請求を行いました。東京共同電子申請・届出サービスを用いて同一内容の依頼をしました(ただし1区はこのサービスに未加入でした)。

我々が求める情報は基本的なもので、年度ごとの入札件数、入札金額、不調件数を公開請求しました。電子依頼の利用は便利性を飛躍的に向上させますが、各区で請求方法や回答方法が異なるため、一部で運用上の困難も経験しました。

しかし、手書きの申請書やFAXでの請求と比べれば、デジタル時代は自分で出向く必要がなくなり、時間と交通費を節約できることに感謝します。情報公開請求の手間を考えると、自治体のサービスが市民にとってより便利で親しみやすいものになっていることを感じます。

しかし、23区それぞれの対応は異なりました。その詳細は以下の通りです。

  1. 情報公開請求後1週間以内に電話もしくはメールがあった区数:8
  2. 依頼の意味を正確に捉えるために区担当が電話もしくはメールで確認した区数:7
  3. 情報公開請求内容が公文書にないため受けられない区数:6
  4. 同一内容の情報公開請求であるが、簡易報告で対応した区数:4
  5. 情報公開請求の内容をメールで提供した区数:3
  6. 1か月後に全く返信がなかった区数:11

同じ申請プラットフォームを使用しているため、受領されなかったとは考えにくいです。

対応の内容の違いは何なのか?

上記の1、2、4、5の対応区は全て同じであったことから、これらの違いは各区の対応姿勢や職員の情報公開請求への理解の違いであると思われます。

入札に関する調査・分析を行う立場からすると、データは不可欠なものであり、それが揃わないことは重大な問題です。

公開、平等、迅速さは自治体のミッションであるべきです。今後の改善に対する強い期待感を持っています。

今月はここまで。

 

2023年7月

代表理事 青柳恭弘